<abbr>タグは、略語や頭字語を表す際に使用します。
略語や頭字語の正式名称を示す場合には、title属性の値として指定できます。 abbr要素のtitle属性の値には、略語や頭字語の正式名称のみを指定します。 それ以外の情報は、何も含めてはいけません。
文書のなかで同じ略語が何度か登場する場合、 abbr要素のtitle属性で正式名称を1回指定しても、 同じ文書内に登場する同じ略語に対して正式名称が指定できたわけではありません。 abbr要素は、それぞれが独立しています。
以下のサンプルは、典型的なabbr要素の使用例です。
<p>
<abbr title="Web Hypertext Application Technology Working Group">WHATWG</abbr>は、
HTMLなどの仕様を策定するために様々な立場の人々が集まったコミュニティです。
</p>
WHATWGは、 HTMLなどの仕様を策定するために様々な立場の人々が集まったコミュニティです。
dfn要素とabbr要素を併用すると、 定義された用語が略語であることを示すことができます。
dfn要素の子要素がtitle属性を持つabbr要素の場合、 abbr要素のtitle属性に指定された値は、定義された用語の正式名称を表します。
以下のサンプルは、abbr要素で略語としてマークアップして、さらにdfn要素で定義用語としてマークアップしています。
<p>
<dfn id=whatwg>
<abbr title="Web Hypertext Application Technology Working Group">WHATWG</abbr>
</dfn>は、
新しい技術を開発したいブラウザメーカーと、
ウェブ関係者による緩やかなコラボレーションです。
</p>
WHATWG は、 新しい技術を開発したいブラウザメーカーと、 ウェブ関係者による緩やかなコラボレーションです。
上記のサンプルは、以下のように書くこともできます。
<p>
<dfn id=whatwg>Web Hypertext Application Technology Working Group</dfn>
(<abbr title="Web Hypertext Application Technology Working Group">WHATWG</abbr>)は、
新しい技術を開発したいブラウザメーカーと、
ウェブ関係者による緩やかなコラボレーションです。
</p>
Web Hypertext Application Technology Working Group (WHATWG)は、 新しい技術を開発したいブラウザメーカーと、 ウェブ関係者による緩やかなコラボレーションです。
略語や頭字語が出てきたら、必ずabbr要素でマークアップしなければならないというわけではありません。 abbr要素は、以下の場合などに役立つことが期待されています。
以下のサンプルには、「WHATWG」と「HTML5」という2つの略語が含まれています。 「HTML5」にはabbr要素を使用しておらず、正式名称(HyperText Markup Language)と関連付けられていません。
<p>
<abbr title="Web Hypertext Application Technology Working Group">WHATWG</abbr>は、
2004年に
HTML5
の策定を開始しました。
</p>
WHATWGは、 2004年に HTML5 の策定を開始しました。
以下のサンプルは、a要素で略語から定義に向けてリンクしています。
<p>
<a href="#whatwg">
<abbr title="Web Hypertext Application Technology Working Group">WHATWG</abbr>
</a>コミュニティには、
アジアからの代表者はあまりいません。
</p>
WHATWG コミュニティには、 アジアからの代表者はあまりいません。
以下のサンプルでは、略語にスタイルを適用するためにabbr要素としてマークアップしています。 そのため、title属性による正式名称の指定は省略されています。
<p>
関係者は、<abbr>WHATWG</abbr>の過去の改訂を振り返ることを否定しました。
</p>
関係者は、WHATWGの過去の改訂を振り返ることを否定しました。
略語の単数/複数と、正式名称の単数/複数は揃える必要があります。 略語が複数の場合、 abbr要素内容に複数形のsを含めないなら、正式名称も単数形にします。 abbr要素内容に複数形のsを含めるなら、正式名称にも複数形のsを付けます。
以下のサンプルでは、abbr要素内容「WG」に複数形のsを含めていないので、 正式名称の「Working Group」も単数形となっています。
<p>
<abbr>WHATWG</abbr> と
<abbr>HTMLWG</abbr> という
2つの<abbr title="Working Group">WG</abbr>s が、
仕様策定に取り組みました。
</p>
WHATWG と HTMLWG という 2つのWGs が、 仕様策定に取り組みました。
以下のサンプルでは、abbr要素内容「WGs」に複数形のsを含めているので、 正式名称の「Working Groups」も複数形となっています。
<p>
<abbr>WHATWG</abbr> と
<abbr>HTMLWG</abbr> という
2つの<abbr title="Working Groups">WGs</abbr> が、
仕様策定に取り組みました。
</p>
WHATWG と HTMLWG という 2つのWGs が、 仕様策定に取り組みました。
過去のHTMLの仕様には、abbr要素の他にacronym要素が存在していましたが、 すでにacronym要素は廃止されており、代わりにabbr要素を使うことが推奨されています。
abbreviationは略語、acronymは頭字語です。 例えば「ケンタッキーフライドチキン」を「ケンタ」と略せばabbreviation(略語)ですし、 「Kentucky Fried Chicken」の頭文字「KFC」をとればacronym(頭字語)です。
現在のHTML標準では、abbr要素は略語や頭字語を表します。 略語と頭字語は、どちらもabbr要素でマークアップすることになっています。