どこかで見たようなモノ |
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頑張ってオリジナリティを出そうとしているのに、どうしても他人 のモノマネみたいになってしまう。真似をするつもりは全然ないの に気が付けば“どこかで見たようなモノ”が出来上がっていた…。 何かモノを作る際、こうしたことは結構あります。 閲覧者の立場でそうした“どこかで見たようなモノ”に出会うと、 「そういうのはもうすでにある。」 「今までに無いものじゃないと作る意味が無い。」 「自分はそのことに気が付いているから大丈夫。」 などと思っていたはずなのに、いざ自分が作る側の立場になると いつのまにか“どこかで見たようなモノ”を作っていたりします。 分かっているはずなのに、ついうっかりとありがちな作品を制作し てしまうのは何故でしょうか。また、オリジナリティのある作品を 制作するにはどうすれば良いのでしょうか。 |
敢えて避ける |
見る側として色々なサイトを巡回しているときには、各サイトごと の違いや個性があるのを当たり前に思っていた人も、ひとたび作る 側に回り、オリジナリティのあるWEBサイトを作ろうと志したとき、 「他人と違うものを作るとはなんと難しいのだろう。」 と気付くのではないかと思います。 制作をするとき、多くの人は同じような発想をします。オリジナリ ティある作品を実現するために有効な手法の1つは、 「他の多くの人がしそうな発想を敢えて避ける」 という意識を持つことです。 例えば、普通に日記サイトを制作すれば、「昨日は何を買った、今 日は何を食べた」という内容になりがちですが(もちろんそれが いけないということは全くありませんが)、それを敢えて避けます。 敢えて避ける代わりに何を書くのかといえば、例えば、コンビニエ ンスストアで働いている人なら、新商品の評価をいち早く日記風に 紹介するなど、あまり他の人のやらない(やれない)テーマを盛り 込むのです。 もちろん、本当に面白い文章が書ける人ならば、ありがちな内容で も読者をひきつけますし、そうでない人の作品は、敢えて個性的な テーマを選んでも面白くはならないものですが、“その他大勢”と して数に埋もれないためにも、この「敢えて避ける」という手法は 結構有効かと思います。 |
意識して狙う |
「その人らしさは、自然に作品に表れるのだから無理にオリジナリ ティを出そうとする必要はないのでは?」という考えがあるかもし れません。しかし、私は経験的に「どうもそんな無邪気な態度では 上手くいかないようだ。」と感じています。 つまり、オリジナリティというのは、より意識的に狙っていないと 出にくいもののようだということです。どこかで見たようなモノに もその作者らしさというのは表れますが、“その人らしい”という のと“作品にオリジナリティがある”というのではレベルが異なり ます。 数あるWEBサイトの中で他との違いを主張し、ユーザーから選んで もらえるものになるには、ただ無心で制作するだけではなく、他と 何が違うのかということを理詰めで考えて、人のやらない微妙なス ポットを時間を掛けて探すという作業が必要ではないかと思います。 |
たくさん作った人だけ |
オリジナリティのある面白い作品を制作するには、多作である必要 があります。たくさん作ることで初めて自分に適した制作手法など を知ることができるからです。 全く経験の無かった初心者が、学校の授業などで見様見真似でホー ムページを作成したら、とてもオリジナリティのある傑作が出来た…。 などという話はあまりありません。知識や技術面に不安があったり、 制作の全体像が見えていないうちは、作ることだけで手一杯で作品 の良し悪しに構っている余裕が無いのが普通です。 オリジナリティのある作品を作りたいと願うなら、まずは理屈抜き にたくさん制作してみることをお勧めします。WEB制作はそれ自体 そんなに難しいものではありませんので、カンの良い人なら1~2 作である程度理解できますが、制作技術を身に付けてから、さらに 何作か制作しておくと良いでしょう。 オリジナリティのある作品にたどりつくまでには、どこかで見たよ うなモノや、明らかに面白くないモノを作ってしまうかもしれませ んが、おそらくそうした失敗を恐れてコワゴワと少量生産している より、たくさん作って、さっさとするべき失敗をしていまう方が近 道です。こうしてたくさん作った経験が、制作全体を見通す計画性 と失敗を避けるカンを養い、意識的にオリジナリティを狙う余裕を 生み出します。 たくさん制作して制作と己を知り、他のWEBサイトをたくさん見て、 他の人の考えそうなことを知った上で敢えてそれらを避け、意識的 に他人のやらない微妙なスポットを丹念に探り当てる…。 オリジナリティとは、制作者の適性に加えて、こうした一定以上の 経験と努力がなければ生まれにくいものだと思っています。 |