何がしたいのか分からないホームページ |
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ホームページのコンテンツには、良質なものとそうでないものがあ ります。せっかくホームページを制作するからには、良いモノを作 りたいものですが、そう願いながらもなかなか上手くいかず、行き 詰まっているサイトは多いのではないかと思います。良質ではない ホームページは、一体何が良くないのでしょうか。 「トップページが重たい」「タグやスクリプトの使い方が誤ってい る」「サイト構成が悪くて見にくい」などのテクニック的な問題は、 コンテンツの良し悪しとはあまり関係ありません。仮に誰かから こうした指摘を受けたとしても、慌てず騒がずテクニックを勉強し て、対処していけば良いと思います。 良くないホームページでよく見かける、そして、おそらく初心者が 陥りがちな最も典型的な失敗は、何がしたいのか分からないホーム ページを制作してしまうことです。もし、あなたのホームページが、 「アクセス数はちっとも伸びないし、この先何をしたら良いかも分 からない」という状態の場合には、そのホームページの目的につい て再検証する必要があるかもしれません。 目的や狙いのないホームページは、制作すること自体が目的になっ ていることが多いようです。そのため、制作がある程度まで完了し てしまうと存続させる意義がなくなってしまいます。制作者は、 「せっかく制作したのに誰も見てくれない...。」と途方に暮れ ているかもしれませんが、ユーザーにとっては意味をなさない ホームページですから、見てもらえなくても当然といえば当然と言 えます。 |
誰に何を伝えたいのか |
「何でも良いから、とにかくホームページを作りたい!」「誰でも 良いからたくさんの人に見てもらいたい!」といった曖昧な制作動 機から良質コンテンツが生まれることはまずありません。やる気や 情熱を否定するわけではありませんが、制作意欲が強いからといっ て、必ずしもそれが良い作品につながるとは限らないのです。 むしろ、「ホームページの作り方は良く分からないけれど、撮り貯 めた写真を見てもらいたい。」「パソコンは持ってないけど、自分 の作った野菜のおいしさを知ってほしい。」「インターネットじゃ なくても良いけど、ボランティア活動のメンバーを募集したい。」 といった動機の方が良質コンテンツに一歩近いと言えます。 「●●な人たちに▲▲を伝えたい。その結果■■になると良い。」 ホームページ制作には最低限、上の●●や▲▲の部分に当てはまる ものが必要です。●●や▲▲の部分に当てはまるものが無いまま 制作されたホームページは、どれだけ手間ひまかけて作りこんでも、 良質コンテンツにはなりません。これは良質・悪質以前の問題なの ですが、案外ここでつまずいているホームページは多いのです。 |
良質コンテンツのできるまで |
ホームページが良質かどうかを判断するのは、制作者ではなく ユーザーです。それだけに、自分のホームページを利用して欲しい ターゲットユーザーを想定することは重要です。彼らが何に興味を 持っており、ホームページに何を期待しているのかということにつ いて、具体的にイメージします。これは相手に媚びを売ったり、 言いなりになるということではありません。むしろ相手の先回りを して、思い通りにユーザーを動かすという積極的な姿勢に他なりま せん。 ターゲットが決定すると、実際に制作するコンテンツについても、 おおよその方向が決定されます。ターゲットとコンテンツは、どち らが後でも先でも構いませんが、この二つは必ずセットになってい なくてはなりません。例えば、「小学校低学年くらいまでの子供達 をターゲットにした、童話のコンテンツ」といった具合です。 そして、ターゲットとコンテンツの二つが決まれば、自ずと表現手 段が決まります。例えば、「ターゲットは小さな子供だから、あま り漢字は使わず文字数は少なくして、色は明るめしよう」とか、 「クリックが上手くできないかもしれないかもしれないから、ボタ ンは大きくしよう」とか、「お父さんやお母さんが物語を読んであ げられるように声のナレーションは入れないようにしよう。」とか いった具合です。この際、ターゲットの利用風景を細部にわたって 具体的にイメージすることがポイントです。 これら、ターゲット・コンテンツ・表現手段が矛盾無くイメージで きたら、そのホームページはすでに半分成功しています。もしも、 あなたに物語を作ったり、絵を描いたりする才能があれば、間違い なく良質なホームページが誕生することでしょう。また、仮に物語 や絵が苦手だとしても、ターゲット・コンテンツ・表現手段に矛盾 がないというだけで、そこそこ見られるものが出来上がるはずです。 |